オールリリース シーバスフィッシングデイとは?

オールリリース シーバスフィッシングデイは毎年11月の大潮の日、湘南相模川で開催されているシーバスフィッシングのイベントです。
名前の通り、オールリリーススタイルの釣り大会を通してシーバスのキャッチ&リリースの大切さを伝えようとしています。
そしてこの名前には、いつもはキャッチ&キープ派のアングラーも、
この日だけはリリースする釣りをしてみましょう!というメッセージが込められているのです。


オールリリース シーバスフィッシングデイのはじまりと歴史

このイベントが計画された1999年当時、ショアのシーバスイベントはすべてデッドフィッシュの持ち込み検量でした。
当時はまだデジカメが普及しておらず、そうしないと公平さに問題が起きたからです。
しかし、こういった釣り大会によってビッグフィッシュばかりがキープされてしまうことに疑問を感じていたアングラーも多く、
魚を殺さないでも楽しめる新しいスタイルのシーバストーナメントが模索されるようになっていったのです。

つまりそれは、インショアでオールリリーススタイルの大会を成功させることでした。
釣った魚を逃がすことで、次の産卵に繋げようという考え方を知ってもらう。すなわちキャッチ&リリースを理解してもらうことでした。
そのためには、キャッチ&リリースは釣り人自身の利益そのものであることを再認識する場所が必要だと考えたのです。




やがて、そういう気運が高まり、湘南にアマチュアアングラーやフィッシングクラブが集まり、
2000年の春、この大会の母体となるシーバスミーティングが結成されました。
またこの時、この動きを知った関東以外のフィッシングクラブやアマチュアアングラーたちからも、多くの応援があったことを忘れてはいけません。
このシーバスミーティングの大きな特長は、ショップやメーカー、メディアなどの介在や方向付けがなく、
あくまでもアマチュアアングラーが主体ということでしょう。
それは、どことも宣伝・金銭的な利害関係を持たずに独立することで自分たちの主張をはっきりさせたかったからです。




当時、湘南シーバスと言えば東京湾のフッコゲームと並んで全国的にも注目されていたメジャーエリアでしたから、
ここから何かを発信すればいろんな意味で効果的という目論みもありました。
こうして全国初のオールリリーススタイルのシーバストーナメントが、ここ相模川でスタートしたのです。
続いて東京湾でもやはりオールリリーススタイルのトーナメントのクロスロードがスタートし多くの交流を生み出しました。

あれから10年、私たちの願いが通じたのかどうか、最近は持ち込み検量の大会は減り、
デジカメの普及もあって全国でもオールリリーススタイルのシーバストーナメントが標準化してきてるようです。
これは素晴らしいことだと思います。




余談になりますが、オールリリース シーバスフィッシングデイやクロスロードは最初からオールリリースの大会として計画されましたが、
デジカメ時代への過渡期、特にそれまで持ち込み検量方式だった大会がリリース申告方式へ切り替えるのは大変だったようです。
検量が正確な持ち込み部門と別けて、若干ステイタスが低い位置付けでリリース部門をつくるのが一般的だったようですが、
中にはライブ検量という大がかりなものあり、ビッグフィッシュを海水とともに大きなクーラーボックスに入れて、
生かしたまま車に乗せて検量場所に持って行くのは至難の業でした。

そういうシリアスなトーナメントと比べれば、オールリリース シーバスフィッシングデイは最初からかなりゆるいと言えましょう。
それは釣りは遊びであり、思い通りにいかないものだから、それなら競うよりもみんなで一晩楽しみましょうというスタンスからきています。
そのシーバス釣りの楽しみと同じく、ビッグワンへの夢も絶えることがないように、私たちはキャッチ&リリースを勧めているのです。

キャッチ&リリースは強要するものではありませんが、ゲームフィッシングには必要なことです。
キャッチ&リリースは釣り人の利益であることを忘れずに、
シーバスフィッシングが大好きな自分たちのためにも、このイベントを続けていければと思っています。
もし、あなたも将来のシーバスフィッシングを思うなら答えは簡単です。
自分を楽しませてくれたその1尾を、また海や川に還すだけでよいのです。